ヨーク大聖堂 基本情報と見どころ編
記念すべき初記事は、教会オタクの私が一番おすすめしたい大聖堂、ヨーク大聖堂です。
基本情報
1472年に竣工した、北ヨーロッパ最大級のゴシック様式、イギリス国教会の大聖堂。
1220年に着工してから約250年の歳月をかけて完成しました。
英語ではYork cathedralではなく、York minsterと呼ばれます。Minsterとは、かつては修道院に与えられた肩書きだったのですが、今は都市の中心的な存在である大聖堂への敬称として使われています。
建築様式
巨大な教会・大聖堂は完成までに長い年月がかかるため、途中で流行りの建築様式が変わり、1つの建物に複数の建築様式が取り入れられることが多々あるのですが、ヨーク大聖堂もその1つです。
袖廊はイギリス・ゴシック様式*1のうち最も古い初期イギリス様式で作られ、身廊部分は装飾様式が用いられています。そして聖歌隊席から建物の東端まではイギリス・ゴシック様式の中で最も新しいパーペンデキュラー様式を見ることができます。
(教会の構成要素・建築様式については、また改めて記事を作ります。)
見どころ
- なんと言ってもその大きさ!
街のどこからでも見つけられるその大きさにももちろんびっくりさせられますが、建物内に入った時の空間の広さ、天井の高さ、そしてそれによって生まれる荘厳さには圧倒されることでしょう。
大きいという点で言うとカンタベリー大聖堂やダラム大聖堂なども特徴として挙げられますが、それらは回廊などを持ち、比較的複雑な間取りをしているのに対し、ヨーク大聖堂はバシリカ型の教会にチャプターハウスが付いているだけと、非常にシンプルな構成になっています。
そのことが、より一層大聖堂の大きさ引き立たせているのではないでしょうか。
- 世界最大級の美しいステンドグラス
ヨーク大聖堂の東側に飾られたステンドグラス(英語ではThe great east window)は、イギリス国内に現存する中世に作られたものとして最大の大きさを誇っています。
311のパネルで構成されており、イエス・キリストだけでなく使徒、天使、預言者の姿や聖書から引用された場面を見ることができます。
(The great east windowについては、次の記事で詳しく説明しています。)
最も大きい東側の窓が目を惹きますが、ヨーク大聖堂には他にも有名なステンドグラスが多くあります。是非ヨーク大聖堂の中を歩き回って、その美しさを堪能していただきたいです。
- 地下の資料館が面白い!
大聖堂の地下にある資料館では、大聖堂の歴史に関する展示、大聖堂の修復工事中に発見された出土品、ヨーロッパで最古の写本と呼ばれるヨーク福音書を見ることができます。
この資料館は博物館並みに展示内容が充実していて、展示品に解説がついていたり体験型の展示があったりと大聖堂やキリスト教にあまり詳しくない方でも楽しんでいただけるようになっています。
また、大聖堂についてだけでなく、かつてバイキングが占領した領土の首都であったという、ユニークな街の歴史を学ぶことができるので、ヨーク観光を更に面白くするために訪れていただきたいです。
大聖堂オタクとしては、尖頭アーチの作り方を体験できる展示があり、それに没頭していました。(本当は子供向けの展示だったようです‥笑)
参考文献
A Brief History of York Minster | Citi-Wise, your UK travel guide
York Minster - One of Europe's most magnificent medieval churches